VRがつまらない:メタクエスト2とスマホVRを試してみて
VRとはVirtual Realityの略で、仮想現実とも呼ばれる。VRを気軽に楽しめるデバイスそのものを、VRと呼ぶ事も多い。日本では比較的安価なメタクエストが有名だろうか。筆者も試してみたく、数年前にメタクエスト2を3万円台で購入した。ちなみに、その他VRは10万円ほど、AppleのVRに至っては数十万円する。まだメタクエストの3万円は良心的であった。
ただ、このVR、実際にやってみると面白くないのだ。ゲームも動画も、どうもつまらない。ここでは、メタクエスト2とスマホVRについての筆者の感想を記す。これらを買おうか迷っている人は、まだ買わない方が良いかもしれない。
メタクエスト2はコンテンツ不足
実は、メタクエスト2を買うのにも数年間悩んでいた。筆者の感覚では3万円は高い。そのお金があれば他に色々と遊べる。よく分からないものにお金を掛けるのは中々勇気がいる事である。
実際購入してみて、1年ほど保持した後、メルカリで売却した。今後使うことは無い、と判断した結果だった。
画質は綺麗
メタクエスト2で最も良かったのは、画質が綺麗だった事である。YouTubeやその他メタの動画サイトを利用したが、迫力があり、臨場感もあった。視野が360°になると、やはり2次元とは違った凄さがある。
筆者は風景動画や街の動画を良く見ていたが、例えば新宿のハロウィン動画などは、実際参加していないのに雰囲気を楽しむ事が出来た。世界中の知らない場所の街並みや、観光で行くにはお金の掛かりそうな場所など、まず行けないような場所の気分を味わう事が出来た。
人が出てくる動画の現実感もすごい。例えばハロウィンの仮装をしている子達も、まるでそこにいるかのように感じられた。アイドルのライブ動画なども十分楽しめる。今は動画の域だが、そのうちリアルタイムで人と人がやり取り出来るようになれば面白そうだ。対面で出来る事をVRでやれるようになるかもしれない。
ハードがいまいち
さて、早速デメリットになってしまうのだが、使用感は良くない。メタは目の周辺と頭で固定するのだが、本体が重く、目の周辺に負荷が掛かる。使用後に鏡を見ると、くっきりと本体を固定した跡が残っていた。とはいえ、固定を緩めるとピントが合わなくなってしまい、どうしようも無い。段々と痛くなってくるので、せいぜい1時間が使用限界だと思われる。
準備するのも何故かは分からないが億劫に感じる。装着して、パワーをON、その後空間上に境界線(超えたらアラートが出る線、危険防止のため)を作り、アプリを選択する。ここまでおそらく数分で終わる。ただし、スマホだったら数秒なのだ。最早我々は数分も待てなくなっているのかもしれない。
コンテンツ不足
また、コンテンツが著しく不足している。わざわざVRを装着してまで楽しみたい物が無いのだ。美しい風景、臨場感のあるハロウィンの街…。確かに凄いのだが、程度の差はあれ2次元でも出来てしまう。現状はまだこうなってしまっている。
3次元での感動、手間 < 2次元の手軽さ
動画だけでなくゲームも試したが、はまり込めなかった。筆者はテニスが好きなのでテニスのゲームを試してみたが、やはり現実とは違う。もしかしたらゲームでテニスの練習になるかと思ったが、所詮ゲームはゲーム。例えば身体を使ったフルスイングのサービスよりも、手首でクイックに打つサービスの方が速かったりした。ゲームとしての完成度もまだまだで、筆者世代なら必ずはまったストリートファイターやマリオカートのような面白みも無かった。
このコンテンツ不足、根本的に面白くない、というのがVR普及の最大の鍵かもしれない。コンテンツについて、有名なクリエーターが動画を作っても良さそうなものだが、まだ稼げる環境にないためか、いなそうだった。
スマホVRはただただしょぼい
なお、スマホでもVRを試してみた。こちらは、スマホを専用ゴーグルに挟むことでVR動画を楽しむ事が出来る。手軽な反面、メタクエスト2に比べると格段にしょぼいので、あまりおすすめは出来ない。ただ、コストも比較的安いので、VRの雰囲気を掴みたい人は一度やってみてもいいかもしれない。
解像度のチェック
スマホVRをやる前に、解像度をチェックする事をおすすめする。解像度が足りていないと、ただのぼけた動画を見る羽目になる。
- メタクエスト2の解像度:2K(一般的には2,560x1,440くらい)
- iPhone13の解像度:2,532 x 1,170
- 格安スマホの解像度:例えば720 x 1440、など
スマホでVRをやる場合、iPhoneであれば問題無さそうではある。間違っても格安スマホで試してはいけない。
ハードは軽い
筆者はサンワダイレクトのVRゴーグルを購入して使用した。スマホVRはメタクエスト2に比べると軽く、顔に跡が残ることは無い。ただし、顔とゴーグルの隙間から光が入ってくる。メタクエスト2が動画に入り込めるのに対し、スマホVRはあくまでもテレビを見ている感覚に近い。当然臨場感は無く、スマホ画面上の出来事、という感覚である。
まとめ
- メタクエスト2
- 画質が良く、動画を楽しめる。
- 現状、まだまだコンテンツが面白くない。
- ハードの完成度もまだ高くない。装着後、顔に跡が残る。
- あと少しの装着の手軽さとコンテンツの拡充があれば流行る可能性はある。
- スマホVR
- メタクエスト2のような専用機よりも格段にしょぼい。
- ただし、ハードは軽く、手軽さもある。
- VRの雰囲気を楽しみたい人は試してみても良いかもしれない。