株の暴落とワイコフ:会社員とスイング売買
会社員と言えば株である。まとまった時間を取れない会社員がお金を増やすにあたり、株は外せない手法である。2024年には新NISAが始まり、更に多くの人がマーケットに参戦した。長期でも短期でも、それぞれが好きな手法で取り組めるのも株の良いところである。
筆者も数年株をやっているが、実は2024年の暴落+上昇を受けるまでは、少しずつプラスになっていた。その矢先に大ダメージを受け、今は些か傷心ではある。一体何がダメだったのか?
株の暴落と上昇
2024年8月、株が暴落した。1日の日経平均の下げ幅は何と4000円。実は筆者は緩やかに株が下がっていくのではないかと予見していた。日経平均30000円ほどまで行くと予想しており、その考えは変わっていない。しかし、流石に1日にこれほど下がるとは思わなかった。
そして、その翌日から急速に回復した。これは全く予想できなかった。何せ、こちらは30000円まで下がると予想しているのである。その予測に基づき、空売りでエントリーしていた。その後30000円まで落ちたら買い戻し、改めて買いで入ろうかと考えていたのだ。
結果、大きく損失を出すことになった。正確には暴落日には大きくプラスになったのだが、その翌日からは一気にマイナスに転じた。空売りの買い戻し(損切)も遅れた。30000円まで落ちるはず、という呪縛にも似た妄想から抜け出せず、結局資金の30%以上を失う羽目となった。今はこれくらいで済んでよかったと思う事にしている。
- 7月に日経42000円を付けた後、徐々に下落
- 8/2で日経2000円の下げ
- 8/5に日経4000円の下げ
- 8/6に日経3000円の上げ
- その後、8/16までに38000円に回復
チャートで予測する
筆者が元々株に興味を持ったのは、かの有名なB・N・Fの特集をテレビで見た事がきっかけだった。トレードの成績が凄まじく、特に初年度とその翌年が素晴らしい。164万円が6000万円まで増えているのだ。その後、ワイコフの「スイング売買の心得」で株を勉強した(Amazonのスイング売買の心得のページ)。
彼らの共通点は、高騰期でも暴落期でも成績を出せた、とされている点である。そして、両者ともスイング売買を手法としている。これは、株価の上げと下げを予測し、そのスイングの大きさで利ザヤを確保するというやり方である。ワイコフは売りでも入っていたが、B・N・Fは買いのみだったようである。いずれにせよ、その手法には株価の上げ、下げの予測が重要になってくる。
その点、筆者は予測ではなく、欲で動いてしまっていた。チャートを見て判断しているつもりが、こう動いてほしい、という願望に変わってしまっていたのだ。多くの人間が同じように願望で動いていると思う。ワイコフに言わせると、いつ買うか、いつ売るか、いつ動かないか、全てはチャートが教えてくれるらしい。願望は断ち切る必要がありそうだ。
今回の事例ではどうか
後付けだが、今回の事例を見ると、数日38000円前後を推移した後、8/1に1000円近い下げがある。ここで売りに入るのは正解だったと言える。しかし、その後の急速な回復は読めるものなのだろうか。あまりにもきつい下げの後は反発する、と覚えておくしか無さそうだ。
また、相場の変動が激しい場合は一旦様子見してもいいのかもしれない。勿論、変動が激しい方が稼ぐチャンスではあるのだが。
損切の重要性
ワイコフの本に繰り返し出てくるのが、損切の重要性である。株価を予測し、損切ラインを適切に設定してリスク管理をする。ワイコフの場合は、ストップ注文を推奨している。むしろ、そうしないと相場で勝つ事は難しいそうだ。株をやる上で最も大事と言っても良いのかもしれない。実際、今回も逆指値で予めストップ注文しておけば少ない損失で済んだ。
エントリーのタイミング
損切を語る上で欠かせないのが、エントリーのタイミングである。筆者もそうだが、損切ばかり執行されてしまって少しずつ損を出す人もいるだろう。トレードの段階で逆指値をするのだが、一時的な値上がりや値下がりで逆指値が執行されてしまう。一時的なので、株価はすぐに元に戻り、しかも当初の目論見通りに動いていくことも少なくない。例えば次のようなケースである。
- 1000円で買いに入る
- 指値を1050円、逆指値をを980円に設定
- 一時的に980円になり、逆指値が執行される
- その後、株価は上がり、1050円に到達
あまりにも執行されてしまうので、筆者は逆指値注文を止めてしまった。しかし、ワイコフに言わせると、これはそもそもエントリーのタイミングが悪いそうだ。まだ入るべきじゃない時、上昇途中や下落途中に焦って入ってしまい、結果割を食う。チャートを見て、いつ入るか、今は動かない方がいいのか、適切に判断する必要がある。
まとめ
- 株の暴落や高騰さえ、チャートで予測できる可能性がある。
- チャートを見て、いつ買うか、いつ売るか、いつ動かないか、予測する。こうなってほしい、という願望でトレードしてはいけない。
- 損切は絶対に必要である。
- 損切ばかり執行されるのは、エントリーのタイミングが悪い。