アクシデントが起きたときの会社員の行動:クラウドストライクのバグでブルースクリーンになっても簡単には帰れない
2024年7月19日午後―。突如として会社のパソコンがブルースクリーンになった。筆者はパソコンが無いと全く仕事が出来ない。早速システム担当を呼んでみるが、csagent.sysが原因という事しか分からない。そうこうしていると、周りのデスクでも同じ症状が起きてきた。もしかしてウイルスか?
後から分かった事だが、この現象はウイルス対策ソフトが原因だった。筆者の会社のみならず、世界同時多発的にブルースクリーンが起きたようだ。広告用のディスプレイも、自販機もブルースクリーンになった。原因は、クラウドストライクというソフトのアップデート。特に航空業界などは影響が大きかったようで、一晩寝袋で過ごした、という声もテレビで紹介されていた。
この大問題の解決方法は既に提示されており(セーフモードで起動→クラウドストライクのファイル名変更)、後は現場のシステム担当者が頑張るだけである。問題は、このようなアクシデントが起きたときに、会社員は迅速に行動出来ないという点である。
会社員は迅速に行動できない
そもそも、会社員は迅速に行動できない。いや、行動してはいけない。会社を人間に例えると、脳としての機能は経営層やマネージャーが行う。一般の平社員は手足であり、自らが意思をもって行動してはいけない。これが、組織である。
したがって、組織人として迅速に行動できないのは止むを得ないし、むしろ健全だとも言える。会社員は、あくまでも決定された指示に従って動くべきである。
アクシデントが起きたとき
では、今回のようなアクシデントが起きたときはどうするべきか?当然、命令系統に従って行動するのが会社員だ。システム担当の指示を待つ。上司の指示を待つ。今回は世界的に起きたバグだったが、ウイルスの可能性もあった。ウイルスの場合は直ぐにネットワークからパソコンを遮断する、という指示が飛んでくるはずである。
会社員である以上、アクシデントが起きたら迅速に上司や会社の指示を受ける必要がある。
組織のルールと指示
ところで、組織のルールは組織によって異なる。先のウイルスの件で言うと、「ウイルスの可能性があったらパソコンをネットワークから遮断する」、とあらかじめ明文化している会社もある。教育などで周知している会社もあるだろう。その場合、指示を待つことなく迅速に行動できる。
問題はルールが無い場合だ。基本的には上司の指示を待つべきだが、状況把握や対処に時間を取られ、中々指示が出ないこともあるだろう。今回のアクシデントでは、多くの会社員が次のような状態に陥ったはずである。
- パソコンがブルースクリーンになり、仕事が出来ない
- システム担当を呼んでも解決しない
- 他にやる事がある人はそれをやればよいが、パソコンメインの人は何も出来ない
- 暇になる
暇になった後、世の会社員はどのように過ごしたのだろうか。筆者の場合、一先ず周りのデスクの人と状況を話し合った。次に、何か出来ることが無いか探し回った。どうせ無いのだが、とにかく時間を潰すために社内を歩き回った。
結局、帰宅したのはそれから2時間後である。これは、会社のコアタイムが終わるのが2時間後だったからである。最初から、「コアタイムが終わったら、一刻も早く帰ろう」、と筆者は決めていたのである。それまでに何かしらの指示も出ないだろう、と踏んでいた訳で、事実そうだった。
一方で、筆者が帰った後も社内に何名も残っていたようだ。勿論仕事が出来た人もいるが、そうでない彼らは何をしていたのだろうか。「もう今日は帰っていい」、という指示を待っていたのではないだろうか。
新卒組のルールと転職組のルール
余談だが、新卒で働いている人と転職してきた人ではルールが異なる(あくまでも筆者の感覚だが)。新卒者は、今働いている会社しか知らない。故に、その会社で常識だとされている事を、良くも悪くも従順に守る。一方で、転職者はいくつものルールを知っているからか、ルール破りに見えるような事を悪気無く行う。
組織にとって良いのは、勿論新卒者だろう。ルールを説明する必要が無い。転職者の場合、社内で常識となっている、しかし世間から見るとおかしなルールを、一々説明しなければならず、骨が折れる。
転職者はこの部分には気を付けた方が良いのかもしれない。間違っていると思っていても、一旦はルールに従うふりをした方が、組織に馴染みやすいと思われる。
自分自身の判断に従う事も重要
今回のような、ただ仕事が出来なくなるだけのアクシデントなら、自分で判断してさっさと帰っても、指示があるまで待っていても、どちらでもよい。ただし、例えば財産や身の危険の可能性があるアクシデントの場合、自分自身の判断に従う事も重要だと思う。経営層やマネージャーの能力が低い場合、間違った指示をされる場合があるためである。これは、歴史的に見ても枚挙に遑が無いだろう。
特に判断までに時間が無いような事象だと、その一瞬の判断の良し悪しで結果が大きく変わってくる。会社のルールを守って上司の指示を待つ場合と、自身の判断を優先する場合を決めておこう。
まとめ
会社員は、例え仕事が出来ない状態でも、勝手に帰宅せずに指示を待つのが正しい。組織の1人して自覚を持ち、アクシデントが起きたときは速やかに指示を仰ぐ。
ただし、現実的に、上司や経営層の能力が低い事もある。その場合、自分で判断して行動した方が良いこともある。また、特に財産や身に危険がある場合は、自身の判断を優先しても良いかもしれない。